大和橘のフィナンシェ
日本最古の柑橘・大和橘(やまとたちばな)
大和橘という柑橘を知っているでしょうか?
日本橘とも言われ、日本に古くから野生しているミカン科ミカン属の常緑小高木です。いわば、蜜柑のご先祖様のようなものでしょうか。
一度は全国で4000本ほどにまで減ってしまい、絶滅危惧種に指定されている日本固有の柑橘です。
Synagerでは、この希少な大和橘の果実をフィナンシェに焼きこんで香りを楽しんでもらっています。
その果実は、2~3cmほどの大きさで、果皮は薄くて滑らか、ミカンをそのまま小さくしたような形で、とってもかわいい外観です。
原種ゆえに、味わいはしっかりとした酸味と苦みが特徴で、ほかに類をみない爽やかな香りがなんとも魅力的です。
なかなか見かけることも少なく見慣れない大和橘ですが、古来から日本においては神木として大切にされてきました。
日本書や古事記、万葉集などで「非時香実(ときじくのかぐこのみ)」とされ、永遠に香っている果実と表現されるほど、その香りに人々は魅了されてきたのです。
特別な香りのフィナンシェ
フィナンシェは皆さんもよく知っている焼き菓子かと思います。
フィナンシェの意味はどんなでしょう?
フランス語のFinancier(フィナンシェ)は「金融家」「お金持ち」を意味します。では、なぜそんな名前のお菓子になったのでしょう?
このフィナンシェの形は、金融街で働く人にとって縁起の良い金塊・金の延べ棒をイメージした綺麗な黄金色の焼き色と平たい長方形の形が特徴です。この形は、金融マンが背広を汚さずに片手で手軽につまめるようにと、パリの菓子職人が考えたといわれています。
材料もシンプルで、アーモンドプードル(アーモンドを粉末にしたもの)と砂糖、卵白、焦がしバター、薄力粉でつくり、アーモンドとバターの香ばしい香りが魅力的なフランスの伝統的な焼き菓子です。
Synagerのフィナンシェは、大和橘の果実をシロップ煮にしたものを焼きこみ、爽やかな柑橘の香りをプラスしています。蜂蜜を加えてしっとりとした食感に、大和橘のキュッとした酸味とほろ苦さがとても素敵です。ハーブティにもよく合うあじわいです。
レストランのコースの最後に小さく焼き上げてお茶菓子として楽しんでいただくことも多いです。
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