ハーブ蒸留ってどういうこと?
蒸留によって香りを抽出するということ
ハーブ蒸留は、植物の芳香成分やエッセンシャルオイルを抽出する方法です。色々な方法がありますが、古代から様々な手法で人間の生活に役立てられてきた歴史があります。主に香り高いハーブや花などの植物素材を用いて、蒸気を通してエッセンシャルオイルを抽出します。このときに副産物として得られるのがアロマウォーターです。
簡単にハーブ蒸留の方法を説明します。
ハーブ蒸留に適した原料は、エッセンシャルオイルが豊富に含まれる植物です。例えば、ローズマリー、ラベンダー、ペパーミント、シトロネラなどのハーブや、バラ、ジャスミン、イランイランなどの花が一般的です。
ハーブ蒸留には、専用の蒸留器具が必要です。主に、アレンビック(アラビアンスタイル)やコールドストリップ(冷却蒸留)といった装置が使われます。
レストランで使っているのも、小さいですが循環冷却装置のついたコールドストリップのハーブ蒸留器です。厨房のカウンターにドーンと鎮座してるので、ご来店の際にはよく見てみてください。理科の実験装置のような外観です。
次に蒸留のプロセスでは、原料を蒸留器具の中に入れ、下から水を加熱します。加熱によって蒸気が発生し、エッセンシャルオイルが含まれた蒸気が抽出されます。この蒸気は、冷却器を通過して液体に戻されます。
よく香りのオイルとして知られているエッセンシャルオイルですが、ここで液体に戻された蒸気は、エッセンシャルオイルと水が混ざった状態です。エッセンシャルオイルは水よりも比重が軽いため、自然に分離しやすいです。専用の分離器を使って、より効率的にエッセンシャルオイルを取り出すことができます。
抽出されたエッセンシャルオイルは、熟成させることで香りが安定し、品質が向上します。熟成期間は数週間から数ヶ月と、エッセンシャルオイルの種類によって異なります。熟成中は、遮光性のあるガラス瓶に保存し、直射日光や高温多湿を避けることがとても大切です。
取り出した香りを使ってみよう
一般的には、ハーブ蒸留で抽出されたエッセンシャルオイルは、アロマセラピー、香料、化粧品、医療、マッサージオイルなど、さまざまな用途で利用されます。また、エッセンシャルオイル以外にも、蒸留水(ハイドロソル)が抽出されることがあり、こちらも化粧水やルームスプレーとして利用されます。
Synager では、この蒸留水を様々に活用しています。まだまだ料理や飲用には一般的ではないですが、自家蒸留した安全な蒸留水を香りの要素として料理やドリンクに積極的に取り入れています。
コースの始まりに、「芳香水のしずく」として提供する蒸留水は、季節感を鮮烈な香りで体験してもらうSynager ならではの演出として、レストランオープン時から続けています。ゲストの方にはその香りの体験で、これから始まるコースの期待を高めてもらっています。
家庭でも楽しめるハーブ蒸留
市販の蒸留器具を購入する代わりに、自宅で簡易的なハーブ蒸留器具を作成し、ハーブ蒸留を楽しむこともできます。
大きな鍋、ガラスボウル、氷、そして蓋を利用して、自家製の蒸留器具を作成することが可能です。
コロナ下でお家時間を楽しむ傾向で、家庭でも手軽に使えるキッチン蒸留器もいろいろなものがあるので、是非探してみてください。
ハーブ蒸留は、植物の持つ美しい香りや効果を引き出す方法として、古来より愛されてきました。自分でハーブ蒸留を試してみることで、香りの世界をより深く理解し、自然な香りを楽しむことができます。ただし、安全性や品質管理には十分注意して取り組むことが大切です。
関連情報
五感で楽しむ隠れ家レストラン | Synager
Synager
京都の街中の一角にある【Synager】では、旬の野菜を使用し、さらにハーブや草花の芳香を加えることで、美味しさの相乗効果を得たおまかせコース料理をご提供。ハーブで香り付けしたカヌレはテイクアウトができるので、ご自宅用や手土産にもおすすめです。香りにこだわった当店でしか味わえない世界観をぜひ楽しんでください。
屋号 | Synager |
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住所 |
〒604-0814 京都府京都市中京区壺屋町512番地2 |
営業時間 | 12:00~22:00 |
定休日 | 月曜日 |
代表者名 | 北岸寿規 |
info@synager.net |